テレビのニュースでもラジオのニュースでも、短時間ですが市場のニュースが流れることがあります。この際、為替市場のニュースでは、ドル円レートのみが報じられることが多いです。日本のニュースですから円を扱うのは分かるのですが、なぜ開いて通貨がドルなのでしょうか。これを不思議に思ったことがある人もいるでしょう。
FXの情報でもドル円から報じられることが多いです。その理由は、ドルが基軸通貨だからです。ドルが基軸通貨だという意味は、国際的な取引を行うときにドルで決済することを意味します。かつてはドルではなかったのです。
ドルの前はイギリスのポンドが用いられていましたし、その前はフランス、さらに前はオランダ、その前がスペインでその前がポルトガルでしょう。そのときの経済の中心となっていた国の通貨が基軸通貨として用いられていました。イギリスについていえば、大英帝国を築いたときには、世界中でポンドが使われていました。その後、第一次世界大戦によってイギリス経済は疲弊し、戦場となっていなかったアメリカの経済が強くなったのです。
それによってドルが基軸通貨として用いられるようになりました。FXではドル円と言ったときには、わざわざ言わなくてもそのドルはアメリカのドルです。FXでは豪ドルなども取引されますからドルにもいろいろなものがあるのですが、米ドルとわざわざ言わなくてもアメリカのドルを意味することは常識として知っておかなければなりません。